ちょっと他の遊びも落ち着いてきて、先月は久しぶりに何冊か読むことができた。
オススメは「亡霊星域」。
もちろん、前作の「叛逆航路」を読んでないと難しいが、それを差し引いてもSFらしい意識のズレを楽しむことができた。
ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポートの
感想ほとんどの記事を一度ネットで読んでいるが、まとめて読むとイギリスやヨーロッパのここ2,3年での動向がある程度追いかけることができてよかった。著者の立ち位置があまりブレずに、基本リベラルレフトな視線で評価しているので、いろいろな出来事がどういった立場に対する損得に繋がるのか、わかりやすい。ヨーロッパにも閉塞感は漂っているようだが、制度などをラディカルに変えることができてしまう。それを羨ましく感じてしまうのは、私が未熟なためだろうか。
読了日:8月31日 著者:
ブレイディみかこ亡霊星域 (創元SF文庫)の
感想多数の賞をとった前作より、今作のほうがとても楽しめた。ヴォルコシガンシリーズと似たヒューマニスティックな文化と制度への視点を織り込んだロマンあふれるスペオペといったテイストだ。そこに性別にとらわれない人称の表現がミステリアスな魅力を加えていて、とても幻想的なイメージが浮かんできた。
読了日:8月29日 著者:
アン・レッキーあまたの星、宝冠のごとく (ハヤカワ文庫SF)の
感想最初の3作品は寓話性が強くてイマイチ飲み込めなかった。それ以降の作品は予想どおりの鋭く突き刺さるような感覚がしてとても楽しかった。このエグい感じが大好物だ。
読了日:8月23日 著者:
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア怨讐星域Ⅲ 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)の
感想久しぶりに日本SFらしい小説を堪能した。マイルドな展開に物足りなさを感じるのは、最近の劇的なテイストの小説に慣れてしまったからだと思う。
読了日:8月19日 著者:
梶尾真治怨讐星域Ⅱ ニューエデン (ハヤカワ文庫JA)の
感想宇宙船と目的地で平行して話が進む。相互に大きな関連はないように見えていても、通底している流れ絡み合っているように思えてとても面白い。
読了日:8月12日 著者:
梶尾真治怨讐星域Ⅰ ノアズ・アーク (ハヤカワ文庫JA)の
感想地球消滅というかなり激動の時代なのに、ものすごく落ち着いたトーンでストーリーが展開していくのは作者の特徴がよく出ていて味わい深い。断章が連なるオムニバスなのに人物の特徴がよく分かるのはオーソドックスな人間描写がしっかりしているからだろう。
読了日:8月4日 著者:
梶尾真治読書メーター