12月のおすすめは「くまちゃん」。
年末を締めるのに読後感が良かった。
そのあとに「喪男の社会学入門」も読んだが、一応コミック扱いなので除外した。
「女性同士の争いはなぜ起こるのか」もかなりいい本だったので、今後の研究が楽しみだ。
くまちゃん連作失恋短篇集。話し手がふられる話が延々続く。雰囲気が著者がメジャーになる前の作品にとても似ていて、私は大好きだ。登場人物は誰もかれもダメ人間、完全にダメでどうしょうもないわけではないが、普通はルーズすぎて付き合いたくない感じだ。ダメ人間がはたから見れば大したことがないように思えることで、くよくよする姿が実にほんわかして心があたたまる。みんな一生懸命生きている感じがしてとてもいい。ラストは最近の作品らしく綺麗にまとまっていて読後感もいい。
読了日:12月27日 著者:
角田 光代ブレーキング・ボックス 常識に囚われない考え方あまり期待した内容ではなかったが、まあまあ楽しめた。もっとビジネス用語のメタファーからどういった観念が読み取れるのかといった話になるかと思ったのだが、割と普通のビジネス解説書だった。西洋人から見た日本、韓国、中国、台湾の比較の部分は面白かった。
読了日:12月21日 著者:
アンドリュー・J・サター女性同士の争いはなぜ起こるのか 主婦論争の誕生と終焉女性内でのカテゴリと関係性の変化を、主婦に関連した論争の歴史から実直に研究した良書。資料の網羅性や読み込みも十分で、そこから考察もしっかりしている。今後が楽しみな研究者がまた一人登場した感じがする。世間を騒がした論争の論点の推移をみることで、女性が得た(ように見える)自由と、未だに超えられない壁の輪郭が実にくっくりとみえてくる。
読了日:12月11日 著者:
妙木忍なれる!SE 2 (電撃文庫 な 12-7)運用が構築(開発)のリリースしたシステムを拒否できるなんて、いい会社だなぁ。めちゃくちゃなソフト/システムを作る開発が、サポート部門に恨まれるのはよくあること。なぜなら開発は、一度リリースしたシステムはもう顧みないから。品質保証部門があれば、そこがサポートの意見を組んでリリースさせないというのはあっても、リリースしたシステムの運用を拒めるサポートなんてほとんどない。ラノベとしての話の部分はわりとどうでもよくて、自分が遊んでいるゲームの裏にもシステム屋がたくさんいるということがわかるというだけでも面白いと思
読了日:12月04日 著者:
夏海 公司読書メーター